生活費(15万/月)を稼ぐことができず、失敗するまでのデイトレ日記です。
株の本というのは玉石混淆だろう。当たり外れが大きいし、100円の古本でもお金を出して
買うのがもったいないと思うものもある。せっかくお金を出して買ったからにはそれに見合
ったもっと目新しい情報が欲しいと思うのが心情だ。だけど、実際はその本独自の奇抜な
考えで納得できることは僅かで、それよりも、数多の本に共通して登場するありふれた言葉
の方が大事であることが多い。

それは突き詰めれば、今でもよく取り上げられる本間宗久の格言や酒田五法などに通じる
ことが多い。江戸時代の米相場も現代のアローヘッド株式相場も結局は人間がやっている
ことなのだ。相場は結局人間が動かしているものだから、200年前の人の心理だって今と
そんなに変わるもんじゃない。

本間宗久という名が出る出ないに関わらず、今でも株式相場で使われる言い回しの多くは
この人を出自とすることが多い。もっとも、そういう格言などはネット上のHPやブログの至る
所で書かれているので、わざわざお金を出して本を買うまでもないということは言えるが。

一つ気をつけなければいけないのは、昔の格言をそのまま鵜呑みにしてはいけないと
いうことだ。例えば、「もみ合いを『上放れ』したら買い」なんて書いてあったとして、その通り
に実行したら、高値つかみしてしまったなんてよくあること。 格言通りに行かないのが株の
世界だし、それを逆手にとって騙そうとするのが相場の世界だ。情報を咀嚼(そしゃく)し、
自分なりに臨機応変に判断しないといけない。

『上放れ』したら…、の話は買いのタイミングについてだが、リスク管理(損切り)に
おいても大事なのは身近でよく言われる事であることが多い。どちらもルーツは同じく
本間宗久の言葉に行き着く。私が強く心打たれた次のような本の一節がある。

相場にさからうこと禁物(第39章)
弱気にて売り方に向く時、了見違い、少々ずつ不利運になることあり。その節売り平均
せんと上げかかる米を段々売り込むことあり、はなはだ心得違いなり。相場にさからい
宜しからず、慎むべし。買い方の節も同じ心持ちなり。思い入れ違いは早仕舞い、
行き付きを見るべし。


解説:強気から弱気に方向転換し、売り方になったとき、思惑が外れ、少々利運から
遠ざかることがある。こんな時、あせって売りナンピンしようと上げかかった相場に対し、
売り上がってゆくが、これははなはだ心得違いというものだ。相場に逆らって成功
するはずはなく、このような売り上がりは慎むべきだ。これは売りばかりでなく、
買いの場合も同じで、思惑が違った時は無理に相場の流れに逆らわず、
手仕舞って、相場の動向を見て行くべきである。


『本間宗久相場三昧伝-相場道の極意-』本間宗久

第39章は深い言葉だなあと思う。特に重要だと思った部分を太字にしてみた。私は
逆張り専門で、時に「なにくそー」という感じで、相場に逆らって入って、買い下がって
行きたくなるときがある。

だけど本当はそうじゃない。逆張りといえど、相場の流れに逆らって勝てるはずがない。
長い目で見れば下落基調だけれども「ほんの一瞬だけ戻すことがあるだろう」、そう思っ
て入る。だけど、その戻りすら与えてもらえず下に突き抜けて行くことも往往にしてある。
あるいは、戻りは確かにあったが、買いのタイミングが早すぎたということもある。

そんな時は冷静に「ごめんなさい」と謝る気持ちで損切りしないといけないのだ。買った
後でもいつも自分が間違っている可能性があると謙虚な気持ちを抱きつつ、思惑が
外れたらナンピンするより、損切りしないといけない。他にも「不利運の節、心得のこと
(第27章)」や「売り気に赴くべし(第86章)」などこれと相通じる章は多い。

第39章にも通じるが、同じく三昧伝からもう一つだけ挙げてみる。

相場に感情禁物(第63章)
腹立ち売り、腹立ち買い、決してすべからず、大いに慎むべし。

解説:自分の考えに対し、相場が逆に動いたり、「負け」がこんでくると、やけ(自棄)に
なり、感情に走って、売り、買いをすることがあるが、これは失敗のもと。大いに慎む
べきで、やはりいつも冷静に立ち向かわなければいけない。


これもよく言ったものだ。私なりに解釈すれば、「感情に流されず、自分で決めた所を
厳格に入り、失敗したら厳格に損切りしなさい」ということになる。「『大いに』慎むべし」、
と強調しているので、感情に流されての売買は絶対にしてはいけないということだ。
これはいついかなる時でも肝に銘じておかないといけない。

これを本気で考えないといけない。この章を読んで少しでもチクリと痛むところあれば
「当り前のこと」さえ守る意志がないのだ。私は今でもしょっちゅう腹立ち買いをしてしまう。
これを胸に当てて、「そんなの当然だ」といえる人だけが本物だ。

この章に限らず、三昧伝に書かれていることはいずれも株を1年もやっていれば「そりゃ
そうだ、そんなの当然だろう」と思うようなものばかり。でもいざ実戦となるとできない。
本当は、本や格言うんぬんというより、問われているのは自分の覚悟なのだ。自分との
約束がきちんと守れるかどうかと言っていい。この章はそれを端的に現わしている。身に
つまされる重い言葉だ。

本間宗久という人の言葉は、今ではその名をわざわざ示す必要がないほど、一般常識
として相場の世界に浸透している。だけど余りに身近ゆえに、その教えを粗末にしている
節もあるのではないかと思う。じっくり読むと、その時々の自分の実力に応じて解釈も
感想も変わってくる。何度も味わえるスルメのよう古典だ。本書そのものは薄っぺらで
紙質も決して良いとは言いがたいが、内容は200年前の百戦錬磨の相場師の経験が
びっしり綴られている。手元に置き、折に触れて読み返したい1冊だ。

余談だが、もしすべての個人投資家が「相場に感情禁物(第63章)」に従い、自分の
ルールに従い、すべて機械的に取引をするならば、市場に「遊び」(本や新聞では「ゆがみ」
と言われる)が格段に減るだろう。そうしたら、今市場を支配しつつあるアルゴリズム取引と
いえど安泰と言えないのではないだろうか。HFT(高頻度取引)と言われるアルゴリズム
の手法は市場に「遊び」があることを前提としている。

そうなったら「遊び」のおこぼれをもらっている私だって当然生きられなくなるだろう。
だんだん市場から「遊び」が減ってゆくシビアな世界において、私もこの世界で食ってい
こうとする限り、これまで以上に感情を排し、機械的取引にしのぎを削るのは否応なしに
避けられない道であると思う。感情を排し、当たり前のことを当たり前にこなすことの
難しさを改めて感じだ。

次回はコーヒーブレイクの最終回。一番お気に入りのデイトレ本の挙げてみたい。

~続く~

(if/DAPUMP)

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» おはようございます。
先日はありがとうございました。

立花義正さんの「あなたも株のプロになれる」はご存じですか?
少し時代背景は古いですが一読の価値はあると思います。

しかし近頃本当に難しいですね。
逆張りで押し目狙ったりすると底投げするまで
持って行かれそうな恐怖を感じますw
hiro(しそラーメン) 2011/08/25(Thu)07:02:03 編集
» Re:おはようございます。
hiroさん、おはようございます。

>先日はありがとうございました。

いいえ、こちらこそどういたしまして^^。
コメントはしてませんが、毎日こっそり見てますから
頑張ってくださいねw。

と言っても、私も偉そうに言える立場ではなく
昨日も最後の最後の大引け近くでマイ転しちゃいました。
とても弱い地合いでデイトレでも、入れる場所がない感じです。

>立花義正さんの「あなたも株のプロになれる」はご存じですか?
>少し時代背景は古いですが一読の価値はあると思います。

いいえ、知りませんでした。
図書館かAmazonで探してみます。
教えて下さってありがとうございます。

今日も寄りは高そうですけど、どうなるかわかりませんよね。
勝つより負けない取引を心がけて臨みたいです。
すみませんが、今週の日記は昨日で最後になります。

今日もお互い頑張りましょう。
2011/08/25 07:44
» 返信ありがとうございました
>コメントはしてませんが、毎日こっそり見てますから
頑張ってくださいねw。

うわ、そうですか。取引はもとよりもう少ししっかり(特に誤字脱字)書きます。

負けない取引ですね。そうですね。
今日も頑張りましょう!!

※返信不要です。
hiro(しそラーメン) 2011/08/25(Thu)07:54:56 編集
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自己紹介:
株で生活資金を稼ぐ予定で、資格試験の勉強中。

しかし、見通しが甘く生活費の出金を含めて資金は減り続け400万→100万にまで減少。

まさにがけっぷち、これ以上大きく負ければ即、
退場→職探しコースが待っている。
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