絶対的なものとして（１）

重い内容になってしまったが、今週ずっと思っていたことを書いてみる。

突然だが、世の中に絶対悪というものはあるのだろうか、と思う。

悪いこととしてまず頭に浮かぶのは犯罪を犯すことだと思う。

国家の存亡を脅かすような内乱罪や外患誘致罪という重罪があるらしいが、
それらを除けば、一般的には殺人、放火、強盗などが重い罪になると思う。

中でも殺人が一番重いと思うが、
では、人を殺すことは絶対いけないことなんだろうか、と思う。

戦時であれば兵士は人を殺すことを生業とするし、当然国家がそれを
咎めることはしない。世界では今でも軍隊を持つ国は多いし、数十年前の
日本だってそうだった。

今の日本だって、学校や道徳では「絶対に人を殺してはいけない」、
という前提を掲げつつも、裁判で死刑判決は下るし、最終的に死刑執行の
判を押す法務大臣は人を殺すことにならないんだろうか、とも思う。

あるいは、もし最愛なる子供が誰かに理由もなく殺されたとしたら、
犯人も同じように殺してやりたい、と思うのは親なら誰でも当たり前に
持つ気持ちのような気がする。

主君の仇討ちで有名な忠臣蔵は今の世でも人気で、私も好きな方だが、
言ってみればこれも人殺しの話だから、今も昔も日本人の中には人を
殺しても許される場合もある、という考えがあるのではないかと思う。

だいぶ話が逸れてしまった。

言いたいことが何かと言えば、
絶対的に悪いとかいけないと言い切ることは難しい、という事だ。

言い換えると、普通はダメだと思うことであっても時と場合によっては
許される場合がある、という曖昧な点が世の中には多いと思う。